渡彩覚書3
渡彩より三日目の夜、不思議な夢を見た。
私は欲しいものは何でも揃う巨大なホームセンターにいた。
店内は人種は坩堝、その日は全ての商品を同じ金額で 販売するという設定になっていた。
所持金は限られているから、より価値の高い品物を買えば得というわけで、 圧力鍋やら家電製品に群がる人々を尻目に、 私は趣味の鉱物を主にカートに入れ、店内を回っていた。
ひとしきり買い物をした人たちは店の中央に集まり円陣を組んでいる。
私も会計を済ます前の商品を手に、円陣の中に入った。
円陣の中には壇上があり、その上にひどく鼻が尖って高い一人の 白人男性が立っている。
私の隣にはラフな格好の別の白人男性がいて、 私の選んだ商品の中で一番高価そうなエメラルドの原石を、 私に気付かれないようにすった。
すると鼻の尖った白人男性がそのことをつまびらかにし、その男を指摘した。
私はその石を一番気に入っていたのでスリに腹が立てたが、 自然界にはいくらもあるものだし、そういう大きな意味では私の所有物でもあるまいと思い、 すぐに怒りを収めた。
しかし壇上の男はそれを許さず大声で非難し続け、ついにピストルでスリの男を撃ってしまった。
周囲が騒然となる中、ふと見ると円陣の外にもう一つの壇上がスポットライトを浴びている。
その上では金髪のひどく愛らしい白人少女がフリルの着いた衣装を着て、アイドルよろしく歌い踊っている。
壇上の男はそれを見、一人目立つことを咎め、少女をも撃ち殺した。
そして、これからは自分がルールを決めてこの場を治めると言うような意味のことを言った。
確かに人のものを盗むのはよくないし、 人が殺されて騒然とするなか楽しげに歌い踊るのもどうかと思ったが、 すられた私はもう気にしていないし、少女の罪などたかが知れているのに、 なぜ壇上の男は勝手なルールを押し付け、 恐怖で以って人々を従わせるのかわからなかった。
それでも壇上の男に対する憎しみはなく、ただおそろしく、悲しかった。
ここで目を覚めた。
私は欲しいものは何でも揃う巨大なホームセンターにいた。
店内は人種は坩堝、その日は全ての商品を同じ金額で 販売するという設定になっていた。
所持金は限られているから、より価値の高い品物を買えば得というわけで、 圧力鍋やら家電製品に群がる人々を尻目に、 私は趣味の鉱物を主にカートに入れ、店内を回っていた。
ひとしきり買い物をした人たちは店の中央に集まり円陣を組んでいる。
私も会計を済ます前の商品を手に、円陣の中に入った。
円陣の中には壇上があり、その上にひどく鼻が尖って高い一人の 白人男性が立っている。
私の隣にはラフな格好の別の白人男性がいて、 私の選んだ商品の中で一番高価そうなエメラルドの原石を、 私に気付かれないようにすった。
すると鼻の尖った白人男性がそのことをつまびらかにし、その男を指摘した。
私はその石を一番気に入っていたのでスリに腹が立てたが、 自然界にはいくらもあるものだし、そういう大きな意味では私の所有物でもあるまいと思い、 すぐに怒りを収めた。
しかし壇上の男はそれを許さず大声で非難し続け、ついにピストルでスリの男を撃ってしまった。
周囲が騒然となる中、ふと見ると円陣の外にもう一つの壇上がスポットライトを浴びている。
その上では金髪のひどく愛らしい白人少女がフリルの着いた衣装を着て、アイドルよろしく歌い踊っている。
壇上の男はそれを見、一人目立つことを咎め、少女をも撃ち殺した。
そして、これからは自分がルールを決めてこの場を治めると言うような意味のことを言った。
確かに人のものを盗むのはよくないし、 人が殺されて騒然とするなか楽しげに歌い踊るのもどうかと思ったが、 すられた私はもう気にしていないし、少女の罪などたかが知れているのに、 なぜ壇上の男は勝手なルールを押し付け、 恐怖で以って人々を従わせるのかわからなかった。
それでも壇上の男に対する憎しみはなく、ただおそろしく、悲しかった。
ここで目を覚めた。
起きても悲しい夢が悲しくて泣いた。
とはいえ憎しみの気持ちが一切ないので、非常に澄んだ心持ちであった。
例えばサイパン島に土地の精霊がいて、人のような心があるとすれば、こんな風なのではないかと思った。
とはいえ憎しみの気持ちが一切ないので、非常に澄んだ心持ちであった。
例えばサイパン島に土地の精霊がいて、人のような心があるとすれば、こんな風なのではないかと思った。
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